【季節ー秋】

【秋の色】 —彩にあふれる秋。日本の伝統的な色6選ー

 

 

賑やかだった夏が終わり

少しずつ寒さが強くなってくる秋

 

 

なんだか物悲しい季節のようなイメージがありますが

実は彩にあふれています

 

 

知っておくと役に立つ秋の色をまとめました

 

彩あふれる秋の色6選

 

撫子色(なでしこいろ)

 

日本に自生するものはヤマトナデシコとして

 

古くから日本人に慕われており

 

女性や子供を象徴する花

 

典型的な桃色が特徴

 

 

古典にも頻出する伝統色

 

夫人は柔らかな淡紫(うすむらさき)などの上に、撫子色の細長をゆるやかに重ねていた。

与謝野晶子訳「源氏物語 宿り木」より

 

 

 

朽葉色(くちばいろ)

 

赤みがかった黄褐色

 

枯れた落ち葉の色

 

 

そのかたわらに繭のように真白い髪の人が朽葉色のうちかけを着て、ひそと座っていた。

吉川英治「新太閤記」より

 

 

茄子紺(なすこん)

 

茄子の皮のような

 

紫がかった暗い紺色 

 

 

久江は小柄な女で、茶と黒の大名縞のお召に、くすんだ茄子紺の縫紋の羽織を着てゐた。

林林芙美子「夜福」より

 

纁(そひ)

 

茜で染めた

 

薄赤色だが

 

同じ茜染の緋色よりも少し薄い

 

 蘇比(そひ)という字が当てられることも

 

煤竹色(すすたけいろ)

 

いぶされた竹の色

 

煤竹とは古い藁葺き屋根民家の屋根裏や天井からとれる竹のこと

 

100年から200年以上という永い年月をかけ

囲炉裏の煙でいぶされて茶褐色や飴色に変色していく

 

 

囲炉裏の火が恋しくなるような

晩秋にふさわし色

 

黄金色(こがねいろ)

 

黄金のように光沢のある

 

高級な印象を与える黄色

 

 

黄金色の稲田と真紅の林檎に四年連続の豊作を迎えようとしています、と言われて、私もやはり津軽の子である。

太宰治「善蔵を思う」より

 

銀杏や、銀杏を修飾する言葉としてもよく使われる色

 

しりとり先生
しりとり先生
まだまだ紹介できなかった色も沢山ありました。秋は本当に色鮮やかな季節です。

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