【オノマトペ】

【いろんな歩き方を表現するオノマトペ20選】 ―人の歩き方は千差万別―

 

 

オノマトペには歩く表現がとてもたくさんあります

 

 

表現が沢山あるという事は

それだけの歩き方があるという事です

 

 

そういう目線で歩いている人を見たら

「普通」に歩いている人…が

 

 

実は普通ではない歩き方をしていたのだけど

自分の語彙力がなかった為に表現できなかった…

という事があるかもしれません

 

 

今日は「歩く」にテーマを絞りご紹介いたします

 

 

【いろんな歩き方を表現するオノマトペ20選】 ―人の歩き方は千差万別―

 

 

早く歩くさまを表現するオノマトペ

 

 

さっささっさ

 

 

=さっさっ

足を小気味よく動かしてすばやく速く歩くさま

 

 

其の代り是を突切れば後は誠に楽になるから、サッサッと行きなさい

 

『怪談牡丹燈籠』三遊亭円朝

 

  

 

 

すたすた

 

 

足取りも軽く、軽く地面を蹴りながら後ろも見ずに歩いていくさま

 

 

若侍はさっと身をかはししざま、器用にすり抜けて急ぎ足にすたすたと歩を早めた

 

『茶話』薄田泣菫

 

 

せかせか

 

 

焦っている気持ちで小股で速く歩くさま

 

 

小坊主の頭を一つ撫でると、小股歩きにせかせかと岸本家を退去していった

 

『雁の寺』水上勉

 

 

てくてく

 

=てこてこ

わき目も降らず同じ調子で長い距離をひたすら歩き続けるさま

 

 

さすが馬産国だけに、親馬が通ると、そのあとへ必ず小馬がてくてくついて行くのに出会ふことが多い

 

『断橋』岩野泡鳴

 

 

 

遅く歩くさまを表現するオノマトペ

 

 

とぼとぼ

 

 

落胆したようにいかにも力なく歩くようす

 

 

【例文】競馬で負けて一文無しになり、家までの道をとぼとぼと帰った

 

 

 

のそのそ

 

 

=のそりのそり

鈍そうな動きでまどろっこしいほどゆっくり歩くさま

 

 

のそのそ女と一緒に彷徨き廻るなんて、身を持った者のする業ぢゃない

 

『煤煙』 森田草平


 

 

 

のっしのっし

 

 

=のしのし

大男などが大股で、力強く一歩一歩踏みしめながら歩くようす

 

 

のしのし二階から降りていって、茶屋の一隅に腰をおろしゆっくりお茶を飲むのである

 

『富岳百景』太宰治

 

 

のしのし歩く象

  

  

のろのろ

 

 

鈍い動きでなかなか進まない様子で歩くようす

 

 

【例文】 明らかに一人だけやる気のない様子で、のろのろ歩いている友達を見つけた

 

 

 

えっちらおっちら

 

 

つらそうにやっとのことで歩いているようす

 

 

爺やに手伝はせて、えっちらおっちら担ぎ上げ

 

『大道無門』里美弴


 

 

 

よたよた

 

 

=よれよれ

力なく足元がおぼつかない様子で小さく揺れ動きながら歩くさま

 

 

「おい与ひょう、見や、鶴だ…」「よたよたと飛んでいきよる」

 

『夕鶴』木下順二

 

 

よちよち

 

 

幼児や老人、重いものを背負った人などが、小さい歩幅、慣れない足取りでたどたどしく歩くさま

 

 

爺さんが細い急な坂路をよちよちと登って来るのが見えた

 

『暗夜行路』志賀直哉


 

 

 

よろよろ

 

 

足取りが定かではなく、今にも倒れそうに揺れながら歩くさま

 

 

夢中によろよろと歩いてゐる彼の姿はさながら夢遊病者のやうであった

 

『青銅の基督』長与善郎

  

  

   

ふらふら

 

 

体調が悪い時のように体をしっかり安定させることができない様子で歩くさま

 

 

【例文】 フラフラになって給水所にたどり着いた

  

 

 

 

 

 

ぶらぶら

 

 

あてもなく時間をかけて歩くさま

 

 

ブラブラ百貨店を歩き回り、草臥くたびれたらエスカレーターに乗って遊ぶ

 

『善意』舟橋聖一


 

 

 

ちょっと変わった歩き方を表現するオノマトペ

 

しずしず

 

 

盛装した人などが静かに歩き進む様子

 

 

【例文】 彼女は着物のすそを引きながら、しずしずと長い廊下を歩いていく

 

 

しゃなりしゃなり

 

 

着飾った女性などが柔らかな身のこなしを気取って歩く様子

 

 

蛍狩云うたら、ああ云う風に友禅のべべを着て、しゃなりしゃなりして行かなんだら気分が出えへんねん

 

『細雪』 谷崎潤一郎

 

 

 

 

 

 

ぶらっかぶらっか

 

 

何のあてもなく歩き続けるさま

 

 

戸外をブラッカブラッカ為て歩く方が好うがアスなァ

 

落語『一つ穴』 橘家円喬

 

 

ぽっくりぽっくり

 

 

少しずつ時間をかけて馬などが規則的に歩く足音、またそのさま

 

 

おうまのおやこはなかよしこよし いつでもいっしょにぽっくりぽっくりあるく

 

文部省唱歌『おうま』 林柳波

 

 

 

ほっくりほっくり

 

 

少しずつ時間をかけて進むさま

 

 

としよりの坂をあがるごとくに、ほっくりほっくりと一字つつおしへさせられひ

 

『狂言』伊呂波

 

 

 

ぼっくりぼっくり

 

 

少しずつ時間をかけて踏みしめながらあるく音、またはそのさま

 

 

小六ぼっくりぼっくり、ついたる竹の杖ころく

 

歌謡 松の葉

 

 

しりとり先生
しりとり先生
人が歩く様子をながめて、どんな歩き方をしているのか、言語化してみると自分の語彙力表出の自主トレーニングになりますよ🐱

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