【う】

【空蝉(うつせみ)】とは —夏とはかなさ、人生を感じさせる雰囲気をもつ美しい日本語ー

 

①蝉の抜け殻、または蝉

※抜け殻だけでなく、蝉本体も空蝉というので注意。

 

 

②(この世が)はかない事

 

 

 

 

「空蝉」の語源解説

 

 

もともとは「現し臣(うつしおみ)」=この世に生きる人の意味

 

 

これが「空せ身(うつせみ)」=空しい(むなしい)この身・魂の抜け殻

という反対の意味に転じた

  

  

「抜け殻」のイメージが蝉と重なることで、①と②の意味が生まれた

  

  

②の「はかない」という雰囲気をどれくらいイメージできるかは人によってすごく差があり、語彙力の分かれるところ

  

  

空蝉の雰囲気がよく分かる和歌解説1選

 

 

空蝉の 殻は木ごとにとどむれど たまのゆくへを 見ぬぞかなしき

(古今集・物名・読み人しらず・448・10世紀)

  

  

現代語訳

 

蝉の抜け殻は木々に残り、人の亡骸は棺桶に残るけど、

両方とも魂の行き先を知ることができないのは悲しい事です

 

 

 

空蝉の雰囲気まとめ

 

 

蝉は長年土の下で過ごし、成虫後はすぐに死んでしまう

 

 

そこから「はかない」というイメージがあり

さらに「抜け殻」と合わせることで「はかない」イメージを増幅させています

 

 

また、夏にあれだけ鳴いていた蝉が、秋になるにつれ静かに亡骸になっていく情景が

「寂しさ」もイメージさせています

 

 

  

  

しりとり先生
しりとり先生
空蝉と聞いてはかなさを感じられれば語彙力かなり高いです🐱

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