大晦日の「みそか」は
本来「三十日」と書き
月の三十番目の日ということですが
転じて月の最終日を指すことになりました
その年の月の最終日
最後の最後という意味で「大」がついて
12月31日は大晦日と呼ばれています
大晦日はその他にもいろいろな別名や語源があります
今日は大晦日についてまとめました
【大晦日にまつわる言葉まとめ】 ―来年に向けてきれいさっぱり捨て去る日! 大晦日にまつわる単語 厳選5―
大つごもり(おおつごもり)
大晦日(おおみそか)の別の読み方
「つごもり」は「月隠(つごもり)」が訛ったもので「月が隠れる日」である毎月の末日を指します
1年の最後の「つごもり」なので「大」を付けて、12月31日が「大つごもり」と呼ばれます
ちなみに12月30日は小晦日(こつごもり)です
樋口一葉が発表した小説のタイトルにもなった呼び方です
元朝より大晦日まで、お手に入れまするこの薬は、昔、珍の国の唐人、外郎という人、わが朝へ来たり、
「外郎売」 二代目市川團十郎
除日(じょじつ)
大晦日は一年の最後の日
「古い年を除き去り新し年を迎える日」という意味から別名「除日」とも言います
江戸時代の祝日や将軍の忌日などで刑を執行しない除刑日からきています
除日には詩書までも売尽して家には殆ど余物なき有様であったが、枕山はなお泰然自若として「世事悠悠付一盃。」と吟じて、酔中に新春を迎えた。
「下谷叢話」 永井荷風
まとめると
12月は「除月(じょげつ)」
大晦日は「除日(じょじつ)」
大晦日の夜が「除夜(じょや)」
となります

除夜(じょや)
大晦日の夜の事
年の夜(としのよる)とも言います
とうとう、半蔵は東京で年を越した。一年に一度の餅つき、やれ福茶だ、小梅だ、ちょろげだと、除夜からして町家は町家らしく、明けては屠蘇を祝え、雑煮を祝え、かち栗、ごまめ、数の子を祝えと言う多吉夫婦と共に、明治八年の新しい正月を迎えた。
「夜明け前」島崎藤村

除夜では12時前後から
除夜の鐘が遠くから聞こえてきます
除夜の鐘(じょやのかね)
除夜の鐘は鐘の功徳(くどく)によって
108の煩悩を消滅させるといいます
鐘を打つ時に受ける功徳を説いた文
「打鐘功徳文(だしょうくどくもん)」には以下の記載がある
「若打鐘時三悪道 一切苦悩皆停止 五百億劫重罪 滅降伏魔悪」
【訳】鐘を打てば、地獄・餓鬼・畜生におけるすべての苦しみが止み、五百億劫という果てしない時間を生死輪廻しなくてはならない重い罪の報いがなくなり、悪魔を降伏することができる
出典:新纂浄土宗大辞典
除夜の鐘は107回を大晦日のうちにつき
108回目は年が明けてからつくのが正式なやり方です

冬は空気が澄んでいて
音が伝わりやすいので
遠くからの鐘の音が聞こえてきます
この時こうこうと鳴りだした除夜の鐘。少し古風な情景になったが、コルビジェ風の新式アパートにも鐘の音は届く。
「魔都」久生十蘭
除夜詣(じょやもうで)
大晦日の夜に神社にお参りする事
年越詣(としこしもうで)
年越参(としこしまいり)ともいいます

初詣はその年初めて神社・寺にお参りする事ですが
日の出を迎えて身体を清めて晴れ着を着て詣に行く事
とされており
除夜詣と区別されています
願ぎごとのなき幸せの除夜詣
上村占魚
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