【慣用句】

【江戸時代の職業が語源の言葉】 —職業自体は無くなっているのに言葉は現役ー

 

江戸時代の職業が語源の言い回しが結構あります

 

 

今ではなくなってしまっている職業も多い為

ちょっとイメージしにくかったりします

 

 

語源を知ると知らないでいるよりも

使う時に言葉に深みがでます

 

 

この機会に是非勉強してみましょう

 

 

江戸の職業が語源の言葉 6選

 

油を売る

 

 

江戸時代商人が客を相手にゆっくりと世間話をしながら油を売っていた事から

 

 

おしゃべりをして無駄な時間をつぶす

 

の意味

 

 

「油売り」 資料:千葉県立中央博物館

 

 

 

当時の油は粘度が強かった為

ひしゃくから器に移すのに時間がかかり

サボっていたわけではない

 

 

 

匙を投げる

 

匙(さじ)は医者が薬を調合するときに使う道具

 

 

薬匙

 

どんな薬を調合しても治る見込みがないという事で
医者が匙を投げだす様子から

  

見放す。あきらめる。

 

の意味

 

 

「匙加減」

も医者が匙を使って薬の量を調整する事から来ている

 

 

調節の具合。手加減。

 

の意味

 

例:しかり方のさじ加減が難しい。

 

 

地団駄(じだんだ)を踏む

 

 

地団太とは

足で踏んで空気を送る大形の踏みふいご(=たたら)の事で

製鉄を行う際に足で踏んで空気を送る道具

 

 

 

「もののけ姫」より

 

踏みふいごを足で踏む様子から

 

怒ったり悔しがったりして地面を激しく踏む

  

という意味

 

 

代わり番子(かわりばんこ)

 

たたらを踏む人の事を「番子」と言う

 

 

製鉄には長時間たたらを踏む必要があるので
番子たちが休憩しながらかわるがわる作業にあたった

 

 

「もののけ姫」より

 

ちなみに本来たたら場は女人禁制です

 

 

棒に振る

 

江戸時代に食材や日用品などを天秤棒で売り歩く職業を

「棒手振り(ぼうてふり)」もしくは「振売(ふりうり)」といった

 

初鰹を売る振売 「守貞漫稿」より

 

 

苦労しても大して儲からないさまから

 

 

今までの努力を無駄にする

 

 

という意味

 

二足の草鞋を履く(にそくのわらじをはく)

 

二足は二種の職業

 

 

江戸時代は町奉行など警察機能を持った正式な組織の他に
岡っ引き(=非公認の犯罪捜査協力者)も犯罪を取り締まったりした

 

 

岡っ引きのイメージ

 

 

岡っ引きは、軽犯罪を見逃す代わりに手先として使われるといったことがよくあり

博徒や的屋の親分が岡っ引きになるのは珍しい事ではなかった

 

 

その結果

 

 
「ばくち打ちが岡っ引きになりばくち打ちを取り締まる」

という事が起き
これを「二足の草鞋を履く」といった

 

 

そこから

 

通常は両立し得ない仕事をかけ持つこと

  

の意味

 

【二足の草鞋例】

〇 昼は営業職 夜はハンドメイド作家 
異業種なので二足の草鞋

 

 

× 昼は学校の先生 夜は家庭教師
同業種なので二足の草鞋とは言わない

 

 

ただ、副業をする人が増え
同業種異業種に関わらず

別の仕事を持っていることを二足の草鞋を履く

と表現していることが増えている

 

 

現代では江戸時代に比べて職業も増え

同業種なのか異業種なのかごっちゃになってて

もはやよく分からない事もしばしば

  

 

 

しりとり先生
しりとり先生
いまではなくなっている職業が多いけど言葉の意味は変わらず残っている事にびっくりします

Twitter:しりとり先生 @siritorifun (フォローお待ちしております)

 

 

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